年初のメインははてなブログであったが、今は日頃の日記をnoteに書いている。こちらへは本の話と活動を書くようになった。棲み分けができるようになったわけだ。
2019年を振り返ると、ここで書いた目標はほぼ達成できなかった。
悲しいことに「辞める辞める詐欺」を続けている。
なんとか切り詰めて貯金しているものの、執筆活動において「印刷費」の工面が難しくなってしまった。また遠征費の捻出も難しくなった。11月の東京は大坂文庫設立以来、初めて欠席したほどである。
来年の目標はより具体的に書き込んで、年初から頑張っていく。
読書感想文「 「ついやってしまう」体験のつくりかた 玉樹真一郎著
著者とお会いしてから五年ほど経つ。それからFacebookで繋がって活躍は目にするものの全く会えていない。その頃、お腹にいた第一子さんはすっかり大きくなっており、今や第二子さんまでいるほどだ。
お会いした時から執筆にとりかかっていらした本がこの8月に出た。
Amazonでランキングしているのを見る度、知人として誇らしく思っている。
さて、本題の『「ついやってしまう」体験のつくりかた』の中身について。
ゲームのデザインを第1章~終章(第4章)まで説明している。具体例をふまえて説明するので分かり易い。
第1章 人はなぜ「ついやってしまう」のか
第2章 人はなぜ「つい夢中になってしまう」のか
第3章 人はなぜ「つい誰かに言いたくなってしまう」のか
終章 私たちを突き動かす「体験→感情→記憶」
の構成となっている。
ここまで読んで、ゲームはどういう考えの下で作られているのか理解がすすむ。ゲームデザインの仕事というのも朧気ながら分かってくる。しかし、「これらを実際の生活で応用できるのか?」というところは分からない。
その不安に思ったところで、
巻末1「体験のつくりかた」の使いかた(実践編)である。
ここまで読んできたら、自分にスッと自分のものとして吸収できるであろう。「なるほど。そういう風に実践すればいいのか」と。著者の子育てでの実践もおさえてほしいところ。
ゲームの話ばかり読んできたが、ゲームだけに通用するものではない。色々な現場で、様々な場面で活かすことができるものである。
最後に著者は「何度も読まなくていい」と書いてある。それがなぜなのか、気になる方は読んでみてはいかがか。
読書感想文「吉田の日々赤裸々。」
今回は現在FF14のプロデューサー兼ディレクターである吉田直樹のファミ通で連載していたコラムのまとめ的な本である。
「いつもやる趣味の話か」と読むのを止めるのを止めたまえ。
この本からは、スクエアエニックスという大企業が前代未聞の大失敗から成功した話の一端を垣間見ることができる。
時の流れを整理すると、「旧FF14が立ち上がる」。しかし、色々と不具合があり、現在のFF14からみると30分の1にあたる3万人までプレイ人口が落ちた。これはかつてない失敗であり、FF11で実績を上げていたとされるドジョウ顔の男がクビになったほどである。当時の社長まで謝罪したほどの出来の悪さであった。
そして、新MMORPGを立ち上げようという機に吉田直樹が首をつっこむというところから、話は始まるのだ。
前代未聞のオンラインゲームの作り直し。
今ではすっかり有名人の吉田直樹が悪戦苦闘し、失敗も告白している話。
ただ「別の業界の話」で片付けられない、「大なたを振ることは何か」というものが詰まっている本。
https://www.amazon.co.jp/dp/4047331546/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_StM1DbRRR990N
残念なお知らせ 第二十九回文学フリマ東京を欠席
懐の事情と精神的な病の波により、今週末の文学フリマ東京を欠席する。2012年以降は毎回参加してきた文学フリマだがここで断念することになった。ここまでで様々な事情により活動休止する人や出店を止める人を見てきたが、まさか自分がその位置にくるとは思ってもみなかった。
今年最後の文学フリマを関東の皆さんと味わえないことは誠に情けない限りだが、皆さんのハッピーを願っている。もう盛況になることは約束されているのだ。私が知っている人が当日に何かしらイイ思いをできたらなということである。
欠席した埋め合わせというわけではないが、来年発表予定の新作長編は「信州小笠原四代」になる。タイトルはまだ未定なものの、戦国時代、没落しながらも「故実書」を武器に復活し、そしてのちの世に残るまでになった小笠原家を追う。現代だと指摘されがちな「マナー本」の発端だと考えて欲しい。なぜそれが成り立つか、現在では何が駄目なのか、描写しているので、その部分は味わって頂ければと思う。
読書感想文「ゾラ傑作短篇集 オリヴィエ・ベカイユの死/呪われた家
Kindleの読み放題で光文社の和訳古典シリーズが読める。普通に買うとまあまあイイお値段だ。紙の書籍でも手触りや紙質はとても気持ちいいものだが、大量に読むには手を伸ばしにくい。青空文庫という選択肢もある。しかし、光文社のこのシリーズが読み放題で読めることは、とても助かるし、いいことだと思っている。私的には良質なものを手軽に読めるからだ。
今回は読み終えたゾラ短篇集について。
エミール・ゾラといえば「居酒屋」を知っている人は多いだろう。日本では和訳が少なく、あまり知られていない作家である。私はモーパッサンを読み漁っている内に彼を知ったが、モーパッサンより好きな作家だ。「こんなものを書きたい」「流石ゾラだ」と短篇一つ読み終える度に思う。
ゾラの短篇集自体、日本にはない。この本自体が手に入れやすいけれど貴重なものだ。
また、ゾラについては巻末の解説がとても分かり易いので、そちらを読むと彼への理解も深まるだろう。
私のお薦めは「シャーブル氏の貝」
https://www.amazon.co.jp/dp/B0186S7G0E/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_3fvVDbY38BX2X--
第五回文学フリマ福岡 報告
2019年10月20日(日)第五回文学フリマ福岡は807人(過去最高)の来場者を迎え、盛況の内に終わった。私も夜行バスで福岡入りし、夜は新幹線で帰阪という宿泊なしの強行軍で参加した。自分にお金をかけることが勿体なくなってきた上、福岡という街は故郷でもあるから、文フリだけのために行っても勿体なくないだろうと思ったこともあった。
今回の参加以降、文フリ福岡は出店を止めてスタッフとして活動することにしようと考えていた。蓋を開けるまでは。
ブースに訪れてくれた人たちがそれを許さない。
見本誌等を見て全巻買いをしてくれた方たち、「これを目当てにきました」と言ってくれる方たち、「次回も参加してください」と言って差入までくださった方、多くの人が嬉しい言葉をかけてくれた。
「そこまで言われたら、次も参加するし、新作を書き上げるしかないやん」
書き上げるのは私だが、その力を与えてくれているのは間違いなく応援してくれている人がいるお陰である。福岡は生まれ故郷でもあるが、何かしら私に与えてくれる土地らしい。
懇親会では疲れも出て無様に寝ていたが、ミッションはクリアしたし、無事に帰阪した。
懇親会まで大阪事務局スタッフとあれこれ言いながら散歩して酒を飲んだのもいい思い出である。
私はいい友人たちにめぐまれた。あとは何も成していない自分を自分で尻を叩きながら前に進むのみだ。
10月20日は第五回文学フリマ福岡
来る10月20日(日)第五回文学フリマ福岡に出店する。大坂文庫の出店は五月の文フリ東京以来となる。今年は会場が変わったため、間違いに注意して欲しい。
詳細はこちら
https://bunfree.net/event/fukuoka05/
大坂文庫はえ-09
福岡では初出の長編「尾生の信」も持って行くので、まだ手に入れていない人はブースへカモンヌ。因みに今回から印刷所を「しまや出版」さんに変えている。
Webカタログはこちら
https://c.bunfree.net/c/fukuoka05/!/%E3%81%88/9
最近こちらの更新が止まっていたのはnoteでの反応が嬉しいもので、すっかりそっちのほうに浮気していた。noteは褒めてくれるのだ。「何週間連続おめでとう!」って。単純なことだけれど、それだけでも「書こう」という気が起こるのだから、褒めるという行為が如何に大事なのかよくわかる。