大坂文庫

個人作家、上住断靱の活動記録

noteを始めよう

noteを始めよう。そう思った。
今、利用している投稿サイトではそれなりに読まれているけれども、どうも居心地が悪い。色々仕切り直してケチがついて放ったらかしにしている連載も復活し、ブログでは活動面、noteでは小説とエッセイを書く。ブログでは時々、フィクションとノンフィクション半々ぐらいのネタを書いていたけれど、どこからどこまで本当で創作なのか分かりづらいと思うので、この機会に区別する。
しかし、noteのほうへ気合が入りすぎて、始めようと思ってから一ヶ月近く経っているのにまだ最初の投稿をしていない。

第二十六回文学フリマ東京 報告

ここのところ雨天の印象が強い文学フリマ東京だが、当日はすっきりとした青空が広がっていた。
起床し、義母が朝から肉を食べさせてくれる。一緒に暮らすと、私はますます肥えるだろうなと思いながら、コーヒーを啜った。
GW早朝の山手線は空いていて平和そのものである。座っている誰もが余裕を持っている。浜松町でモノレールに乗り換え、東京流通センターで降りると、ごっそりと人が出てきた。「こんなにも設営手伝いがいるのか」と驚いたが、皆、別の用事で来た人ばかりだった。
レッドブルを飲みのみGWを振り返っていると、あっという間に集合時間となり、設営が始まった。自分の出店より気が抜けない作業で、終わるといつも一杯飲んで帰りたくなる。
設営が終われば自分のブースで設営。
見本誌を提出。
いつもの作業だ。
しかし、新刊がないこともあって、気合が十分でなかったのか途中で息切れした。前々から感じていた「今までのやり方では新規読者を増やせない」ということが確信に変わり、エネルギーが尽きたのかもしれない。
かつてのお仲間もほとんど会場にいない。最早筆を折り、一日スタッフで過ごす方が世の中のためになっているではないかと思う。一日忙しい分気が楽かもしれない。
いつもは最後まで粘るが早めに荷物を片付け、スタッフ手伝いに加わった。
懇親会では段々段ボール愛をしまや出版社長に語り、そのパッションは十分に伝わったと思う。
翌日、有給を確保していた分、気持ちが楽な東京参加となった。
今回、GWに肝臓を酷使したせいかおセンチな気分になったが、また出店者として参加する。出し続ける意味もまたあり、書き続ける理由にもなるのだ。仲間も死んじゃいないので叱咤激励を飛ばしてくれる。

最後になりましたが、ブースにお立ち寄り頂いた皆様、本当にありがとうございました。頑張って書きます。

第二十六回文学フリマ東京 参加のお知らせ

大坂文庫は第二十六回文学フリマ東京に参加する。
ブース番号はイ-21
今回はモノは書き上がっていたものの質を優先して新刊はなし。
既刊のみだけれど、手に入れていない方も多いと思うので、この機会に手に入れて欲しい。
最近、活動がしょんぼり気味だったので、熱を入れて宣伝もやっていく。

忍嚆矢(忍者歴史小説短編集)
地謡(忍者歴史小説短編集)
倭国合戦譚(合戦テーマ歴史アンソロジー)
あの心地を求めて時速六十キロ(テーマ偏愛 小説アンソロジー)

c.bunfree.net

結婚1周年

4月14日、入籍してからまる一年経った。
未だ隣に妻が寝ていることが新鮮であり、たまにしか言わない寝言も楽しみの一つである。そして夫婦というものもいまいちよく分かっていない。何か人に頼むことが苦手な私は未だに言い出せないでいることも多々ある。
乗り越えなければいけない困難もあるとのアドバイスを思い出す。これから共に過ごす長い間、色々なことに合うのだろう。もう少し話すべきなのだな、等々、反省しきりで、妻には感謝しかない。
未だに何者にもなれぬ私だが、せめてそれなりに健康で過ごそうと思うのであった。

心を落ち着けろ

昨日、会社の帰りに胃酸が逆流した。
久しぶりのことで懐かしい痛みであったが、これが悪化し、夜は悶えた。しかし、あまり悶えると妻の睡眠を邪魔してしまう。
私はベッドから這い出すと寝室を出て、冷蔵庫の前で横になった。
痛みで寝付けず、そこでも悶えた。何度か救急車を呼ぼうかと思ったほどだ。その内にグンという感触がして、トイレに駆け込み少し嘔吐した。
最近、会社でイライラし過ぎたせいかもしれない。仕事中はもっと心を穏やかに体をゆっくり動かさなければと反省した。

普段なら休んで病院へ行くものの、諸々立て込んでおり、休むわけには行かなかった。結果としていつものように「休めばよかった」と後悔することになるのだが。
朝早くから開いているドラッグストアで親切なおばさんに薬の説明を受けて、良さそうなものを買って飲む。ドーピングしながらの一日が始まった。
歩くのも普段よりゆっくり。振動で痛いから。
人の挙動を見ない。不合理にイラッとするかもしれないから。
相手の怒りは右から左へ受け流し、FF14をプレイ中のように、姿勢を正して心を落ち着けろ。
そう自分に言い聞かせた。
しかし、暗算をしている最中、机に領収証がポンと机に置かれ、「これ○○に渡しといてくれ」と不意打ちがきた。この領収証はその○○から昨日、送られて来たブツではないか。私が少し固まっていると、「分からんのなら聞け!」と怒鳴ってきた。
いきなりのことで何のこっちゃさっぱり分からなかったが、もう少し間を置いてから、その領収証で経費を切って、お金を○○に渡せという意味かと理解した。間抜けだどうのこうのと怒鳴る輩に頭突きをしてやろうかと思ったが、胃がキュウとしたので慌てて考え直した。人が暗算中に声をかけるほうが間抜けではないか。
それらを切り抜け、帰るべく電車に飛び乗り、つり革に掴まって一息つく間もなく、脛に感触がある。
満員電車で足を組んでいる野郎がいた。
しかもご丁寧に足でリズムをとっていて、私のスーツに景気よく泥をつけている。
私は胃が叫ぶのもかまわず、液体胃薬を全部開け、その男に浴びせた。金切り声を上げて、組んでいる足を正しい位置へと直してやり、景気づけに股間へ残りの胃薬をぶっかける。足を戻すときに私のスーツを汚した靴はひっぺがした。
「お前は悪くない。この靴が悪いんだ」
私は窓を開けると、靴を力一杯投げた。スマホでお気楽な連中が写真や動画を撮っている。靴を片方だけ履いた男は間抜けな口を開いていた。
靴は対抗電車に跳ねられ、平野川へと消えた。

千日前の肉八閉店

何事にも終わりがある。
先日、友人と弟の三人で谷町の肉八で焼き肉を食べていた。弟と年末、行こうとしていた焼き肉がどこも満員だったことのリベンジである。
そこで、千日前の肉八が閉まることを知った。諸々の理由があり、店長の体調も悪いことも重なっての閉店らしい。
私が幹事となり焼き肉屋に行くときは必ずといっていいほど千日前の肉八だった。谷町が出来てからは近いこともあって、そっちに行くようになったが。炭火焼きの店で、内装はそれなりに雰囲気があるものの、騒がしくない。穴場で旨い焼き肉屋であった。友人や職場で仲のいい人たちを連れて行ったものである。
焼き肉を食べているところで「明日閉店」と聞いたもので、こちらにも財布に余裕がない。残念ながら最後に無愛想な店長の顔を見ることは出来なかった。
終わりというものはいつも突然くる。
終わらせる側は多くのプロセスを経ているのだが、聞く側はそうではない。ずっとあるというものはない。だからこそ機会がある時は逃していけないのだ。
私も永遠に作品を書けるわけではない。金がなければ本を印刷もできない。だからこれを読んだあなたは私の本を買って、私を作家として延命させるべきである。

30分「は」休め

かつて一緒の店で働いた上司が休職している。彼は以前にも精神的に参ってしまい、数年ぶり何度目かという甲子園のような休職だが、一度病むとどうにも出来ないことは私も分かっており、心配している。
その上司と働いていた時は、体重が10キロ落ちていた時で社会人二年目の一番酷い時であった。どうにか色々とフォローしてくれたが、既に発病済である彼は今思えば気分の浮き沈みが激しい人だった。
そんな上司が私に一言、「昼休みは30分は絶対休め」と言ってくれた。
「その間は仕事のことは一切考えず、ゆっくり過ごせ。俺がしてやれるのはこれぐらいだけや」
当時、私は弁当を作っていたので、食べて10分。すぐに職場に戻っていた。他の人もそうしていたので特に問題は感じていなかったが、上司の言葉に従い、30分休んでいた。弁当をゆっくり食べて15分、後は葉巻を飲んで15分過ごしていた。
今は真っ白なクロスに張り替えられて、禁煙になった会議室の換気扇の下、ぼんやりと口を開けて煙を吐いていた。本でも読めば良かったのだが、そんな余裕はなかった。私の葉巻は噂になって、「変人」呼ばわりの理由になったが、私の煙草は嗜好品。それに30分を過ごすには丁度良いアイテムだった。
正に狂っている職場だ。その数年後、私も休職する身になった。職場の体質はそれほど変わっていないが、私は変わった。煙草ももう吸っていない。
新年度、新社会人に言いたいことを言う人がおり、それを否定する人もおり、どちらの気持ちも分かるが、所詮相手は他人だ。
私が公に言うことは何もない。ないけれど、配属前の新入社員に教育した私は、彼らには最低限の話をした。
一連の様子を見ながらふと、30分「は」休めという話を思い出したのである。