翠嶺クラフティング

個人作家、上住断靱の活動記録

迷惑電話

個人情報が売られているらしく、定期的に迷惑電話がくる。大体、売った人間は想像がつく。小銭のために付き合いの浅い人に迷惑をかけるとは、付き合いが深くなるまで信用しなかった私の目に自信をもたせてくれる存在だ。
登録していない番号からの着信は出ないので、大抵は何かで一息ついた折に携帯を見れば、不在着信の通知が出ている。
今は検索するとその番号についてコメントが入ったサイトも見ることができるから便利だ。
大体は不動産の投資しませんかという営業電話だ。
たまに出てしまうと、大抵は下手くそな営業だ。勝手に電話をかけておきながら、「~のお洒落な町にある会社でして」とか私に関係のない話を続ける。
昔より遠慮がなくなった私は「何が言いたいんですか?会社がどこにあろうと、私には関係ないんで巻きでお願いします」ということにしている。そこで、電話を切れば二度とかかってくることはない。
しかし、今日かかってきたのは特殊だった。
残念ながら出ることは出来なかったが、検索して見ると、「仮想通貨で云々」「あなた怪しいサイト見ましたね云々」と言ってくるらしい。本人はオツムが悪いとまで評されていた。
集中して電話をかけまくったようで、「現在、検索数が増えています」とまで書いてあった。
どんな内容だったのだろうか。
もし、出ていたら電話をかけるその御仁を主人公に掌編が一つ書けたかもしれない。
もう内容を知ってしまったから、折り返し電話をすることはない。今回のことでしょっぴかれなければ、電話をかけた主はまたどこかのタイミングで同じことをするだろう。

猫の鳴き声

奇妙なことが起きた。ふとした時に猫の鳴き声が聞こえるのだ。聞き間違えもある。マンションの各部屋で扉が開閉すると変な音がなるからだ。因みに今住んでいるマンションは魚ですら飼うこと禁止の厳しいマンションだ。寝ている時にも聞こえて何度か目を覚ましたこともある。
「あ、猫の鳴き声だ」「……と思ったら違った」で済めばいいのだが、今日ははっきりと聞こえた。
思わず身が固まった。
丁度、豚の角煮が出来上がって、火を落とした時に聞こえた。鍋からしたのかと思ったが違う。それは、はっきりと目の前で鳴いた。
周囲を見渡すもそんな影はなく。換気扇にも何もいない。焦った自分に「考えろ……考えろ」と命じる。
しかし、思いつくこともなく、どっか病気になったかなと気持ち悪いまま過ごしていた。
その理由がブログを書こうとした時に判明した。何を書こうかと思った時に、また猫の鳴き声が聞こえたのである。それも私の顔面から。そう、私が鼻からため息のようなものをふいた時に、鼻の内部の事情から、猫の鳴き声のような音が出たのだ。
豚の角煮を見るために、私は変な息の吸い込みかたをした。それが鼻から出た時に猫は生まれたのだ。怪異の正体は自分の鼻であった。つまり、起こされたのも自分の鼻のせいなのだ。
どうしてこうなったのか。
先週、顔面が血だらけになるほど派手に転んだ。その時、鼻になんらかの事情があって、猫が生まれたのだ。深く吸って、鼻から息を長く出さなければ鳴き声はしない。
それに、自分にしか聞こえないから、自分だけに分かる鳴き声である。これが一生なのか今だけなのか、鼻の猫のみが知っている。

バレンタインデー

会社ではバレンタインデーが基本、禁止されている。
それは違う部署でのやり取りが不毛な業務を増加させるからだ。それを今日はよく理解した。それを処理するところにいた。正直、鬱陶しいことこの上ない。普段は書類を処理するだけで済むところを様々な形をした箱を詰めさせられる。禁止された理由がよくわかった。
辟易しながら帰ったが、妻から貰うと全てが吹っ飛んだ。
ホワイトデーは期待してるよと言われたから、今から色々考えている。プレッシャーよりも、どうしようかと悩むほどだ。つい先日怒らせたばかりだけれど、見たいのは喜ぶ顔だ。
一ヶ月後に限らず、あれこれ考えている。それがライフワークになっている。
子供ができたら180度変わると言われているその時まで、妻優先だ。その先もそうだけれど、同率一位でもう一人増えていると考えている。
職場のネガティブな、とことんネガティブな環境を過ごすと、帰宅してからは楽しいことしかしたくない。

○を減らす

体質が変わったようで、酒のうけつけなさが強くなった。先日も手ひどい目にあって体のあちこちが痛い上に、膝から下の筋肉がダメージを負ってしまったようで歩くのに少し気合いがいる。このままだと体がすっかり駄目になりそうなので、すぱっと減らすことにした。ついこの間に買ったり、頂いたりした物はノシ付けて人にあげることにしようと思っている。開けてしまった瓶が最後の一つだ。
なんとなく寂しい気もするが、毎晩の晩酌代が浮くことを思えばいいことだろう。健康にもいいし。飲みに行きはするが、二杯までであとはソフトドリンクになる。
いいことのようでため息しか出ない。

ふぐ

年に一回は大学時代の友人たちと新年会と称して河豚を食べるようにしている。寒いときのてっちりは旨いもので、職場でも大方の人間が「ふぐを食べに行く」と聞けばうらやましがるほどだ。ひねくれた私でもふぐに行くのは「いいな」と思うほどである。
そうした一年に一回の楽しみに行ったものだが、食が細くなったり、酒に弱くなっていたりで、それほどの量を楽しむことができなかった。来年からはてっさだけ食べようという話をした。
我々の臨席にはサラリーマンが二人いて、一人が延々と武勇伝を語っていた。向かい側に座っている男は強面でひれ酒ばかり飲んでいたが、黙々と武勇伝を聞いていて中々に人間ができた人だなと思った。
他には赤いスカートに網タイツの女と既にベロベロの二人組。ひたすらスマホの動画を見ている息子と無愛想にメニューを見る母のアジア系外国人の二人組だった。
いつも使っている店が満席で道頓堀のほうまで足を伸ばしたのだが、数百メートル移動するだけでこれだけ客層が違うのかと驚いた。客のほとんどが外国人観光客で、この賑わいも彼らがいなければどうなるのだろうかと少し思った。

昼飯

昼食時はできるだけ外に行くようにしている。
就職したての頃は弁当を毎日作って食べていたが、今は食堂に嫌いな人間が多くなったのであまり行かなくなった。仕事をしない人間ほどでかい声でしゃべっているものだから、飯がまずくなるのだ。こんな人間が私より高給なのかと馬鹿らしくなる。
だが、懐が寒くなれば簡単な飯を食堂で食わざるをえなくなり、必然的にまずい飯になる。時間をずらせたらいいのだが、仕事の都合上、そうもいかない。
配置換えになった上司とも鉢合わせするようになったのだが、つまらない冗談しか言わなくなったので相槌をうつ程度である。
たまに仲の良い人とも会った時ぐらいが救いだ。
せめて昼休憩ぐらいは平和に過ごしたいものだが、40分を過ぎれば文句を言う人間がいる。就業規定では60分とあるので、紛う事なき「文句」であり、立派なパワハラだ。朝はあまり食べる気がしないので、コーヒーだけで済ませることも多いから、まともな食事は夕飯だけということになる。
だから夕飯はとてもありがたく頂くようにしている。
転職先の条件に「昼飯をまともに食える」が追加されたことは言うまでもない。

節分

今年の恵方巻きは近くのセブンイレブンで買った。
外出して色々しようと思っていたが、結局出かけるのが面倒になって、ほぼ一日引き籠もってガンダムオンラインをしていた。全く書いていないわけで、少々反省したが、ガンオン自体も久しぶりで友人と楽しい時間を過ごせたことは良かったと思っている。
セブンイレブン恵方巻きは既に切ってあったから、丸かじりどころではなかったが、食べやすくてよかった。それもゲームをしながら食べた、
それでもゲームをやっていても無駄ではない。何かしらの発見がある。
ランキング入りしている人の戦い方を参考にしても、あまり褒められたよな動きをしていないことが中々に面白いと思う。他のFPSゲームがどうであるかは知らないが、比較的、評判の悪いガンオンだからこうなるのかとも。しかし、FPS自体経験が少ないので、断言も検証もできない状態だ。やろうとも思わないが。
総じて「私はできないなぁ」という感想だけだ。それでランクインすることは叶わないが、「百式をぶった切っただけで楽しい」と思えるのでストレス解消にはなるのである。
豆まきはやっていないが、ユニコーンガンダムを堕とすことをその変わりとした。私は生粋のジオニストである。