翠嶺クラフティング

個人作家、上住断靱の活動記録

祖父の一周忌

昨日は祖父の一周忌であった。
あれからもう一年も経つのかと思うが、去年は結婚、引越の準備もあり、何かとバタバタしていただけに時間の流れが速く感じられたのだろう。しかし、何も成せぬままに時ばかりが過ぎている。
本作りは一朝一夕とはいかず、実績を積むにも時間がかかる。
焦っても仕方がないのだが、手元にお金がない分、やはり焦りが積もっていく。
だからといって、親戚づきあいを蔑ろにする理由にはならぬと、朝早くから支度をして妻と二人、神戸に向かった。三連休でも早朝だけに人は少ない。梅田の駅で人にもみくちゃにされることもなく、阪急電車に乗った。
途中、乗り換えた電車でよく分からない集団に機嫌が悪くなった私は電車を降りた。妻は「なんでそんなことをすんのかわかんない」と言ったが、それ以上は言って来なかった。
寺で坊主が経を唱えている間、寒さに耐えるということをやって、昼は祖母宅に戻り、親戚一同10人で食事をした。
宴会は「毎回同じになってあかんから」と祖母が気を利かせたため、ただでさえ多い猟師にデザートが加えられ、腹がパンパンになって動けぬようになった。
それからゆっくりと帰ったものの、帰宅したのは5時を回っていた。お土産に穴子寿司と従兄弟が買ってきたあべかわもちを持たされていたが、すぐには食べる気がしなかった。
どうにも腹が張り、座っているのもしんどいので横になって右に左にと寝返りを打つが、眠ることもままならない。仕方なく適当な本をKindleで開きながら、昨日行った友人の結婚式二次会を振り返った。

私の卒論

経済学部にいた私の卒論は「ヴァナディール経済論」だった。正式名称は「仮想世界の経済」であったが、取り上げたのはFF11で、その中の「ギル」をめぐる経済を取り扱った。一年以上に及ぶデータ収集と、中々狂った内容である。
事前に準備していたこともあって、卒論はゼミ生のなかで一番最初に提出した。
そのことで一時限丸ごとヴァナディール経済論を先生に質問されながら、話したことは良い思い出である。今思えば、もう少し踏み込めて出来たのではないかと反省するが、当時は大学四年間で学んだことを全てつぎ込んだつもりだった。
仮想世界の経済は、現実世界の色んな干渉があり、一筋縄にはいかない。
面白いジャンルではあるので、いつかきちんとした研究者が論文を書いて、本にしてくれやしないかと卒論から八年経った今でも待っている。

初詣と御朱印帳

昨日は寒風吹く中、初詣に行ってきた。
場所は初めて行く石切神社近鉄石切駅からは大阪市内が一望出来る。妻が行きたいと言ったからで、大阪に住んで八年になろうとしているが、そのままでは行くことがなかったかもしれない。
近鉄石切駅からは急な坂をひたすら下って神社を目指す。
行きはよいよい、帰りは辛いなと思い、商店を抜けていく。やたらと占い屋が軒を連ね、それなりに人が入って行くのを見ると、怪しげな大阪のおばちゃんに自分の人生を相談する勇猛な御仁が多いらしい。
それらを尻目に梅ヶ丘うどんという梅干しが入ったうどんで暖をとり、腹を満たした。

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店の名前は忘れたけれど、お茶が減れば「いりませんか?」と声をかけてくれる愛想の良い店であった。
店を出て更に下ると、急に道が狭くなる。
客引きに熱心な商店街に入り、そこを抜けると石切神社があった。
境内はそれなりの人で賑わい、皆熱心に手を合わせている。私も今年は願うことは多いと思ったけれど、長々となっては後ろに迷惑だからと作家らしく短くまとめて祈った。妻はこういうことに熱心であるから、きっちりとやっていた。
引いたおみくじは中吉でまあまあ、良い年になりそうだ。
そして、妻が御朱印を書いて貰っている間に、御朱印帳を買うかどうか迷っていた。中々気の利いたデザインの御朱印帳であったから、今年から始めようと愛想の良い巫女さんに頼んで買う。今まで多くの神社に行っていたから、今更感はあるけれど、これも何かの縁だ。少しでも出不精が直るじゃあないか。袋も買って次はどこへ行こうか考えている。

2018年抱負

昨年は皆様お世話になりました。今年もよろしくお願いします。

新年は夫婦二人で迎えたけれど、日付が変わった時はバタバタが落ち着いたなという感じでした。
さて、毎年書いている抱負ですが、去年の書く年に加えて読むことも増やしていこうと思います。去年以上にやることが増えていく年になりそうですけれど、常に精進し、こなしていきます。
ダラダラせずに動き続けていこうと気合入れています。
元日と明日までは遊んで過ごそうと思います。既にブログ書いたり、なんかしてしもうていますけれど。

総括2017

 2017年が終わる。今年は私個人に起きた大きなことがいくつもあり、変化の年であった。まだ続いているものもあれば、これからのこともあり、終わった出来事もある。

 年が変わってちょっとしてから、祖父が亡くなった。痴呆になることもなく、最期は病室であったけれど、激動の人生を90歳の大往生で終えた。元気な時は私とたくさん話した祖父で、色んなところにも連れていってくれた。弱ってからは私と話さなくなったが、言わずとも分かるだろうという信用があったのだと思う。

 続いて、文学フリマ前橋。これがなければ群馬県に足を踏み入れることはなかったんじゃないかと思っている。雪が降っていて、中々趣があった。その間に私の純愛うどんなでしこが布施に戻って来ている。

 そして、入籍と引越。
 遠距離で結婚する時に思いの外、たいへんなところがあったりした。そういう方がいたら相談に乗れるほどだ。結婚生活は始まったばかりで、これから乗り越えるべきことが多いと思うけれど、気張っていくしかない。
 その後、仕事では転勤となり、今までやっていたこととは全く違うことをやる役割になった。いきなりレベル1に戻されたわけだ。
 文フリ大阪は五年目の節目を無事に終えている。
 テキレボには久しぶりに参加。
 本も一年ぶりに作成。と、良い方向に転がった一年となった。
 今年の初めに「書く年にする」としたが、それは達成できたと思う。
 来年は更なる飛躍の年にしたい。

変えることのしんどさ

結婚は勢いだとよく言われる。
それまでの生活リズムや習慣が全く異なる人と過ごすわけだから、変化の幅はとても大きい。人間、頭でそれが分かっているから、結婚というものに一定のハードルを感じているわけだ。
自然睡眠を教わっている際に聞いた話だったと思うが、人間は生物の中では奇跡的な年数を生きる。生きているだけに昨日まで続けてきた習慣を繰り返そうとするのだという。そして効率良く生きるために駄目な習慣はすぐに身についてしまうのだ。余談ながら自然睡眠は個人的に楽しく自己管理して、短く寝るも良し、長く寝るも良しというものだった。
変えること、変わることは本能に反するとてもしんどいことなのである。
しかし、生き残った生物は環境の変化に、自分の体を変化(進化)して適応した。変化をせずに生き残る場合もあるけれど。人もまた、この目まぐるしく変わる世の中で、しんどいながらも変化するしかない。
まだ個人はしんどいながらも楽だ。自分の意思と反復を以て自信に変化を促せる。
これが組織たる法人であるなら更にしんどさを伴う。
組織はその中心を担う人の老いがために大凡30年で衰退する。組織を長く保たせようと思えば、展望を持ち、それに合わせて要所要所で改革が必要になってくる。それが正しいかどうかも分からない。ただでさえ、しんどい思いをする変化を大人数で臨まねばならない。
「色々変えようと思ったけれど、駄目やった」
電車で居合わせた職場の人が悔しそうに語る。
「もう定年やからこのままおるけれど、自分たちは先が長いんやから先々のことを考えや」
甘い汁を吸い続けたいばかりに、そのトップが会社を疲弊させていく。
詳細はひかえるけれど、今いる職場は変化出来ないシステムが見事に構築されている。
ただでさえ大きなエネルギーが必要である「改革」に核エネルギー並のものでなければ、と思うほどの変化拒否である。
以前の私なら、くそったれと毒づいて終わっただろう。
今は嘆くことなく、これを観察研究している。何が良くて何が駄目なのか。どうすれば良いのか。会社はもう変わらず、どこかでその清算をする時がくる。私の人生は続き、組織は死ぬ。私が今の職場のようなシステムを構築する人にならないよう、勉強させて貰っている。愚痴は減るが、よく分からないしんどさが増える。
何があっても、明日が来る。今日の反省、明日への努力を繰り返して、変えることのしんどさを忘れずに、何者かになろうと。

※「自然睡眠」は実際の商品名とは異なります。

第二十五回文学フリマ東京 報告

さる11月23日(木祝)第二十五回文学フリマ東京に参加してきた。
今回は新幹線で前入りせず、人生二回目となる夜行バスに乗って東京に向かった。夜行バスは苦手と言っていたが、最初に乗ったものがハズレだったようで、今回は苦も無く過ごせた。夜行バスプロである妻曰く「狭い」ほうのバスだったらしいが。
懸念していたバスは遅れもなく東京に着いた。
雨は予想していたよりも多く降り、空気は冷たかった。
来場者は少ないのではないか。
不安に思いながら朝の設営に参加する。今回はブース数が過去最大、かつ雨で出店者を早めに入れるというから、皆、黙々と作業していた。いつも設営が終わると「一杯飲んで帰るか」と冗談を言っていたのだが、その余裕もないまま、自分のブース設営へ。
新刊「忍地謡」は無事刷り上がっていてほっとする。
会期中は何度かお隣さんに留守を頼みながら、出かけたりした。やはり心苦しいので、そろそろ一人に限界を感じているのでメンバーでも募集しようか悩む。

そして、ブースに訪れる人達からエネルギーを貰い、また次の文フリに合わせてどうするか帰阪する新幹線で考える。「明日、仕事行きたくねぇな」と呟きながら。