今年はサボり気味だった感想も書いていこうと思う。一発目は昨年11月の文学フリマ東京で購入した犬尾春陽の本だ。
「あの犬尾さんがアンソロジーを?」というのが最初の感想である。私が売るなら、そのままのコピーで宣伝していたに違いない。
人を集めて何かやる印象のない人であった。創作活動の上では。
余談はさておき、本の内容はタイトルから察せられる通り、ホラー作品集である。小説だけではなくて、漫画もある。
序文があり、どんな場所で話が展開していくのか分かりやすい。
以降はそれぞれの作家陣が短編のホラー小説を書いている。私は日野日出志の『おどろんばあ』を思い出していた。序文からはそこまでドロ臭くはなく、店員が小ぎれいであるせいか、どちらかといえば綺麗で怪しいホラー作品群かなと思ったが、作家それぞれの癖が出て色々混ざった飽きの来ないアンソロジーとなっていた。
もっと怖いものも書けそうな人たちだなと思った。まだブレーキがかかっているのかもしれない。振り切ると物語の深みが増すかもしれない。
またホラーをやるのか、他のことをするのか、今後が楽しみな集団である。