翠嶺クラフティング

個人作家、上住断靱の活動記録

休職のフィナーレ

 およそ二週間前の月曜日に職場復帰した。後遺症もなく完治してからの復帰で、まるまる四か月休んだ。過去の精神的な病で休んだ時を含めると、およそ一年会社にいないかったことになる。
 もう少し早く復帰できたとは思うけれど、包帯を巻くなど、目に見えないものだと無茶をさせられると考えて万全を期すことにした。結果として、この判断は正しかった。
 復帰早々、「体力も落ちているだろうから、徐々に慣らしていって」という役員さんの言葉も空しく、病み上がりの人間にさせるのかと思うようなことのオンパレードで、初日からフル仕事の状態であった。
 すぐに右足に痛みがはしり、今週に入ってからはサポーターを巻いている。
 何かあればすぐに私に振るということはすぐに復活し、「ああ、変わんねえな」と思った。
 あとは「ああ、こんな思考回路だったな」と思う出来事も頻発していた。
 ワケの分からない個人のルールに「は?」ってツッコミを入れる人が皆無だったから、それが肥大化していた。それを叩いて縮めるのに疲れた。
 私がいない間のことも少しずつ明らかになっていき、「電話当番」なるものを作って余所の部署に手伝って貰っていたらしい。一人欠けただけで、どんだけ回せなくなっているんだよと思った。私が特別できる人間だとは思っていない。ただ、皆やらなさすぎるだろという感想だ。
 思えば、休職中に関わった人たちには心があった。
 それが社交辞令でも、あるのとないのとでは大きな違いである。
「やっぱ駄目だな。辞める」
 休職のフィナーレを迎えた私は、その直前に抱いた決意を新たに、年明けに向けて準備を進めていく。