大坂文庫

個人作家、上住断靱の活動記録

ある決着

 新入社員として今の勤め先にきた年の6月。
 私は雨の降る中、歩道の水たまりを溝に流すという作業をひたすらやっていた。今となっては滑らない話だが、当時は驚愕したものである。今とは違い、曇り無き眼で「新社会人として頑張るぞ!」していた純情青年であった。
 平目野郎を極めると、地獄の鬼でも思いつかないことを当然の如く命じることができるのだ。
 平目曰く「水たまりがあるとお客様の足が濡れるから」だそうだ。
「既に雨で濡れとるやろがい」
 というツッコミは通じない。
 10年以上前から変わらない小さな北●●。
 道行く人やお客さんに、「雨降っているから意味ないよ」と親切に言われる始末。
(わかっとるがな……)
 苦笑しながら水たまりをはいた。
 当時の平目は絶好調で「将来の役員候補」とまで言われていたのである。
 その彼は昨日、島流しとなった。
 正直に言おう。
 滅茶苦茶スカッとした!!!
 10年以上彼は学び、成長せず、転勤先でもパワハラを続けていたのだ。そして、遂に「こいつは駄目だ」と引導が渡された。
 掃き溜め所属となった彼の扱いは、役員候補といわれていた時より遙かに劣る。長年いじめてきた人間にも仕返しされるだろう。私も平目について少し聞かれた時に「10年以上前からそうでした。もう治らないでしょう」と答えた。
 会社を辞めようとしながら、未だにいる状態だが、この光景を見られたことはちょっと良かった。私の中で一つの区切りとなった出来事だった。