大坂文庫

個人作家、上住断靱の活動記録

【感想】七月は皇帝の月 ーDie Nordlandreiseー

この本を買ったのは、Webカタログにて北欧の話であるとあったからだ。たまたま隣のブースということもあって、久しぶりにカタログ見てから購入。
面白そうな題材であっても、中身がスカタンということは時々ある。本作は題材も中身も伴っていた。
ドイツ皇帝ヴィルヘルム二世を中心に、その周囲の人々の視点からも彼を描いている。各話、長いこともなく、無駄な描写もないため読みやすい。骨太を求めている人には物足りないかもしれないが、このへんの知識があまりない私には十分であった。

三部構成で一部と二部の冒頭には状況が簡単に書かれている。
一部は主にヴィルヘルム二世の人柄、なぜノルウェーに魅せられているのか。
二部には彼の欠点もよく描かれている。また、戦争が迫っている独特の緊張感が伝わってきて短い中にも悲壮感に溢れていた。

あとがきにはヴィルヘルム二世たちの人生はドラマチックに続くとあるので、是非とも続編を書いて欲しいと思った一冊。