大坂文庫

個人作家、上住断靱の活動記録

変えることのしんどさ

結婚は勢いだとよく言われる。
それまでの生活リズムや習慣が全く異なる人と過ごすわけだから、変化の幅はとても大きい。人間、頭でそれが分かっているから、結婚というものに一定のハードルを感じているわけだ。
自然睡眠を教わっている際に聞いた話だったと思うが、人間は生物の中では奇跡的な年数を生きる。生きているだけに昨日まで続けてきた習慣を繰り返そうとするのだという。そして効率良く生きるために駄目な習慣はすぐに身についてしまうのだ。余談ながら自然睡眠は個人的に楽しく自己管理して、短く寝るも良し、長く寝るも良しというものだった。
変えること、変わることは本能に反するとてもしんどいことなのである。
しかし、生き残った生物は環境の変化に、自分の体を変化(進化)して適応した。変化をせずに生き残る場合もあるけれど。人もまた、この目まぐるしく変わる世の中で、しんどいながらも変化するしかない。
まだ個人はしんどいながらも楽だ。自分の意思と反復を以て自信に変化を促せる。
これが組織たる法人であるなら更にしんどさを伴う。
組織はその中心を担う人の老いがために大凡30年で衰退する。組織を長く保たせようと思えば、展望を持ち、それに合わせて要所要所で改革が必要になってくる。それが正しいかどうかも分からない。ただでさえ、しんどい思いをする変化を大人数で臨まねばならない。
「色々変えようと思ったけれど、駄目やった」
電車で居合わせた職場の人が悔しそうに語る。
「もう定年やからこのままおるけれど、自分たちは先が長いんやから先々のことを考えや」
甘い汁を吸い続けたいばかりに、そのトップが会社を疲弊させていく。
詳細はひかえるけれど、今いる職場は変化出来ないシステムが見事に構築されている。
ただでさえ大きなエネルギーが必要である「改革」に核エネルギー並のものでなければ、と思うほどの変化拒否である。
以前の私なら、くそったれと毒づいて終わっただろう。
今は嘆くことなく、これを観察研究している。何が良くて何が駄目なのか。どうすれば良いのか。会社はもう変わらず、どこかでその清算をする時がくる。私の人生は続き、組織は死ぬ。私が今の職場のようなシステムを構築する人にならないよう、勉強させて貰っている。愚痴は減るが、よく分からないしんどさが増える。
何があっても、明日が来る。今日の反省、明日への努力を繰り返して、変えることのしんどさを忘れずに、何者かになろうと。

※「自然睡眠」は実際の商品名とは異なります。