大坂文庫

個人作家、上住断靱の活動記録

積年の清算

我が足の親指は両方とも爪が食い込んでいる。
所謂巻き爪である。いつでも切り揃えているが、どの女よりも付き合いが長い。

痛くなれば深く切り、平面なる爪が生まれる事を望んだが、要望は通らずいつも肉に突き刺さっていた。
「治して貰えば?」
という事で休職中であるし良かろうと連れて行かれたのは病院ではなくフットケア。
粗忽なる私が思うのは「ここは女性のものでは」。しかし、最近はそうでもないらしい。
料金を見るだけで我々がフェチとして眺める場所に夜遊び以上の投資が必要である事を知る。

どれだけ金がかかるのか恐怖したが、巻き爪はそれほど高額でない。

今回は爪のお手入れコースを勧められ選択した。
まず両脚に海藻のパックを当てられた。
これが妙に温くて締められ美脚になる予感がした。スカートどころか半ズボンも履かない私が露出する機会はないが、毛が余分だけれど、つるつるさっぱりした脚になった気がする。
更に足である。

余談だが生まれて初めて「御御足をこちらに」と言われた。男子だとまず言われる事はない台詞だ。

 

何かよく分からないザラザラしたものを塗りつけられ、擦られる。足の裏を押されるとビクンビクンする。
ずるずる拭うと綺麗になった御御足が現れた。
ハイヒールは履かないので披露することなき美足である。
最後に巻き爪お手入れをして貰い、教えて貰い、オイルで保湿して貰って帰った。施術した人曰く「女性だけのものではないのでお気軽に」という事であった。足の痛みを抱えている男は多い。特に足で疲れを感じやすい人が多いらしい。ついでに店員に悩みでも聞いて貰えばどうか。

こうして三十を前にして巻き爪と和解した。