さる11月23日(木祝)第二十五回文学フリマ東京に参加してきた。
今回は新幹線で前入りせず、人生二回目となる夜行バスに乗って東京に向かった。夜行バスは苦手と言っていたが、最初に乗ったものがハズレだったようで、今回は苦も無く過ごせた。夜行バスプロである妻曰く「狭い」ほうのバスだったらしいが。
懸念していたバスは遅れもなく東京に着いた。
雨は予想していたよりも多く降り、空気は冷たかった。
来場者は少ないのではないか。
不安に思いながら朝の設営に参加する。今回はブース数が過去最大、かつ雨で出店者を早めに入れるというから、皆、黙々と作業していた。いつも設営が終わると「一杯飲んで帰るか」と冗談を言っていたのだが、その余裕もないまま、自分のブース設営へ。
新刊「忍地謡」は無事刷り上がっていてほっとする。
会期中は何度かお隣さんに留守を頼みながら、出かけたりした。やはり心苦しいので、そろそろ一人に限界を感じているのでメンバーでも募集しようか悩む。
そして、ブースに訪れる人達からエネルギーを貰い、また次の文フリに合わせてどうするか帰阪する新幹線で考える。「明日、仕事行きたくねぇな」と呟きながら。
第6回Text-Revolutions 報告
第1回のText-Revolutionsでは一般参加した。
その時は休職が明ける前の記念旅行で、元気になった自分を確認するための旅立った。
結果、色々なことに巻き込まれたり、魚の頭で出汁を取ったりしたが、そこから回を重ねること5回のテキレボに出店者として参加してきた。
久しぶりのテキレボは、何かと久しぶり尽くしとなった。
まずは十年ぶりの二次創作を書いたこと。
コピー本を久しぶりに作ったこと。
会場の浅草には15年ぶりに来たこと。
久しぶりのものは、忘れていた感覚が復活する。
さて、テキレボ当日は設営から参加。
力仕事をやると「一杯やって帰るか」と言いたくなるけれど、本番はこれから。
開始早々に一冊売れて幸先の良いスタート。隣の静マル添嶋さんと喋りながら、大雨の中、来場した人たちに本を売った。上のイベントから下りてきたクロフネさんにブースを任せ、会場内で少しお買い物。
片付け不精故に戦利品はまだ段ボールの中だ。
会場内の懇親会ではじゃんけん大会では一番に勝ち残り、ブックカバーを引き当てる。この日、一番持っていたと思う。
打ち上げでは、うちの本を買って気に入ってくれた人がいて嬉しすぎたのもあって、少し話しすぎた。
次回は7月とのこと。
その時はずらりと本を並べられるようになっているか!?準備をしっかりして行きたい。
第三回文学フリマ福岡報告
去る10月8日(日)第三回文学フリマ福岡に寝坊することなく出店してきた。
今回は東京以外で初の会場変更をした文フリとなる。
スタッフの努力が実り、フロアが一つになったことで一体感のある雰囲気が作られていた。
私は例の如く半官半民ならぬ半スタッフ半出店者で、設営にも加わり、本を売った。今回の福岡は最初から歴史小説が売れ、歴史小説を探し求めている猛者から、釣りはいりませんというイケメン、気になってましたと買ってくれる人と調子が良かった。
短編「忍嚆矢」は色々あって原価が上がり頁数の割に高めの値段となっている。値段は高かろうが、買う人は買うと思っているが、今回はそれを裏付けるほど、「面白そうですね。買います」という人がいて、エネルギーを貰った。
昼食後は睡魔に襲われ、うつらうつらしながら、離れた場所に陣取る妻の後頭部を見ていた。このままではいかぬと、眠気覚ましに徘徊して少し本を買った。
第一回から顔見知りだけれど、出店は初めてという人の本も買って、これから読むのが楽しみである。
撤収中に某スタッフちゃんのギターが度々勝手に倒れていたのが印象的だった。
終了後は懇親会に参加し、持ち芸の金勘定を披露した。
二次会にはど真ん中に座ったため、左右両方の面白い話を聞けた。主に参加したのは文学談義のほうである。久しぶりに作品について話せたので充実した一時となった。
途中、そろそろバスの時間だと京都代表は言う。
岩手代表は「度々やらかしているから、早く行った方がいい」と彼をバス乗り場へ向かわせた。
二次会終了後は数人を「ラーメン食いに行きましょう」とナンパし外に出たところで、京都代表から「バスに乗り遅れました」と連絡が入る。
それでもバスの乗り遅れ。これも風物詩だ。
トマトラーメンを食べているところで京都代表も再度合流し、日付をまたいで話し込む。最後は望月代表の一声で解散となった。一人一人と「では次回の文フリで」と別れていく。
宿の鍵は一つ。先に帰っている妻は起きてくれているだろうか。電柱に頭をぶつける韓国人のお兄さんを見ながらつまらぬ心配をした。
第三回文学フリマ福岡はつつがなく終了した。
過剰便所掃除
掃除のおばちゃんがオフィスを綺麗にしてくれるところはたくさんあるだろう。
別の仕事をしてくれる人がいて、オフィス内は自分の役目を全うできる社員で満たされるわけだ。おばちゃんがいなければ、自分たちでオフィスを綺麗にするしかない。
ところが、世の中には掃除のおばちゃんを雇いながら、掃除をさせず、社員の手で掃除をする「聖域」を設けた会社が存在する。曰く、掃除のおばちゃんなんぞ信用できるか、社員にやらせたほうがいいということだ。
その「聖域」は役員用のトイレである。
ここを役員が帰った後、掃除をする。その後、朝来た者が掃除をする。
そう、このトイレは誰も使用してない空白の時間を挟んだ後に掃除をするのだ。義務教育では学べない不思議がここにある。
掃除後は中間管理職が足跡を残さぬよう、つま先立ちで中に入りチェックをする。過剰便所掃除だ。
しかし、私だけが知っていることがある。
役員が帰ってから掃除をする男は白のタオルで便器を拭き、緑のタオルで手洗い場と鏡を拭く。
朝、掃除をする男は緑のタオルで便器を拭き、白のタオルで手洗い場と鏡を拭く。
打ち合わせ不足、ここに極めり。
なぜ知ったかは省略しよう。真実を知った私は役員用に作られた煌びやかなトイレが魔界にしか見えなくなった。
その魔界は良い設備を持つ愛しさと、サラリーマン社会の切なさと、虐げられた社員の心強さを私に与えてくれる。
尼崎文学だらけ 報告
先週、日曜日に尼崎文学だらけに行ってきた。
今年は一階のホールで開催となったので、だらけブースも通常ブースも見渡せてイイ雰囲気の会場となっていた。
例によって用意をあまりしていなかったから、嫁に叱られていた。宣伝も準備もきちんとやろうと反省した。
ポップ効果もあってか、割合出会い頭に買う人がいて前回よりも売れ行きは好調。
欲しいと話をしに来てくれる人もいて、ありがたく思った。ジョヴァンニ君から献本を貰ったり、友人達が来て、久々の会話を楽しんだ。
一段落したところで、隣を見ると赤いおべべでカモフラージュした赤子がいた。
青砥十氏が息子、青もち君である。
青もち君は私が笑うと笑う可愛らしい子であり、父からの英才教育の成果もあって、きちんとチラシの向きまでこちらに合わせて渡せるベイビーである。
そんな彼が私にカルピスのペットボトルを頻りに渡してくる。
何度か受け取っては返してを繰り返していると、自分の水筒を持って「かんぱーい」ときた。思わず噴き出すと、父曰く乾杯が好きで同い年ぐらいの従兄弟と、ずっと乾杯をしているのだという。
お昼時に眠気を誘う曲が流れていて危うかったところを彼と遊ぶことで乗り越えた。
久々のイベントで気分も高揚し、色々頑張り直そうかと褌を締め直した日となった。